「相続税申告」に関するお役立ち情報
相続税の申告期限はいつか
1 相続税の申告期限
相続税の申告と納税は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内にする必要があります。
例えば、被相続人が令和6年5月1日に亡くなり、相続人もその相続を同日に知った場合には、相続税の申告は、令和6年5月2日から令和7年3月1日までに行う必要があります。
また、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月後が土日・祝日に当たる場合には、土日・祝日の翌日が期限となります。
なお、相続税の申告および納税先は、被相続人の相続開始時の住所地を管轄する税務署となります。
2 相続税の申告義務者が申告前に亡くなった場合の申告期限
相続税の申告義務者が、申告前に死亡した場合にはどうなるでしょうか。
この場合には、死亡した相続人が本来提出するべきであった申告書を、その死亡した相続人の相続があったことを知った日の翌日から10か月以内に税務署宛に提出する必要があります。
例えば、令和6年5月1日にAが亡くなり、Aの相続人は、Aの配偶者Bと子のCであったとします。
配偶者Bと子Cは、令和7年3月1日までに相続税の申告および納税をしなければなりません。
ところが、子Cが令和6年8月1日に亡くなってしまい、子Cには配偶者Dとその子E(Aにとっては孫にあたります)がいた場合、配偶者Dと子供Eは、Cに代わってAの相続税申告と納税を行わなければなりません。
この場合の配偶者Dと子Eが行うAの相続税の申告と納税の期限は、Cが亡くなった翌日の令和6年8月2日から起算することになります。
つまり、配偶者Dと子Eは、令和7年6月1日までに相続税の申告と納税を行うことになります。
3 相続税の申告期限までに申告・納税をすることができない場合
⑴ 特例を利用することができないケースがある
相続税には、小規模宅地等の特例や配偶者控除といった、相続税の負担を大きく下げられる特例があります。
しかし、これらの制度は、申告期限内に遺産分割協議を成立させ、相続税申告を行うことが条件となるので、期限内に申告をすることができない場合、これらの特例を適用することができません。
ただし、期限内に遺産が未分割の場合であっても、「申告期限後3年以内の分割見込書面」を提出したうえで、仮の申告をしておけば、遺産分割完了後に小規模宅地等の特例や配偶者控除といった特例を適用して、相続税の申告をやり直すことができます。
⑵ 税務署からペナルティを課されるケースがある
相続税の申告・納付期限に後れると、「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティが課されます。
「無申告加算税」については、自主的な期限後申告の場合は、5%の加算税となります。
一方で、税務署の税務調査で指摘されてから申告する場合は、税額が50万円までの部分は15%、50万円を超え300万円までの部分については20%、300万円を超える部分については30%の加算税が課されます。
「延滞税」については、年によって変動します。
令和6年の場合の延滞税の税率は、納付期限の翌日から2か月以内に納付した場合が「年2.4%」、納付期限の翌日から2か月経過してから納付した場合が「年8.7%」です。
相続税の申告が遅れた場合のペナルティに関しては、こちらもご覧ください。
相続税の申告期間である10か月は、相続財産の調査を行っているとあっという間に過ぎてしまいます。
そのため、相続税の申告を行う場合には、相続税の申告実績が豊富な税理士に依頼することをおすすめします。