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「相続税の制度」に関するお役立ち情報

払いすぎた相続税を返してもらう手続き

  • 文責:所長 税理士 石井浩一
  • 最終更新日:2024年8月28日

1 更正の請求

払いすぎた相続税を返してもらうためには、税務署に対して「更正の請求」という手続きを行う必要があります。

流れとしては、一旦相続税を申告した後に、改めて相続財産を評価しなおして適正な相続税額を算定し、既に申告した相続税額との差額を返してもらうために更正の請求をするというものになります。

参考リンク:国税庁・相続税及び贈与税の更正の請求手続

更正の請求は、相続税申告期限後から5年以内に行わなければならないことにも注意が必要です。

なお、相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日から10か月です。

したがって、相続の開始を知った日から5年10か月を過ぎてしまった場合、還付請求はできないということになりますのでご注意ください。

更正の請求の期限については、こちらでもご説明していますので、ご参照ください。

2 どのような場合に相続税を払いすぎてしまうのか

相続税を払いすぎてしまうケースとしては、相続財産の評価、特に不動産の評価が下げられるにもかかわらず、路線価や固定資産評価額どおりに申告してしまったようなものが多いといえます。

ケースバイケースですので、すべてを挙げることはできませんが、典型的なものは次の通りです。

⑴ 土地や建物を貸している場合

相続財産の中に含まれる土地や建物を、他の誰かに貸している場合、つまり賃貸マンションや駐車場の場合、評価額を下げることができます。

賃借人が賃借権を有しているため、その土地や建物を自由に使うことができない分、価値が下がると考えられているからです。

⑵ 形状に問題がある土地

旗竿型の土地のように入り口が狭く交通の便や防災上で問題のある土地や、段差や傾きがあって建物を建てにくい土地、細長く奥行きが長い土地などは、評価額を下げることができます。

土地は何らかの形で利用することで価値を生み出すものですが、このような土地は利用がしにくいことから価値が低いと考えられているからです。

このような土地の場合、実際に現地調査をして、申告の際に写真などの添付が求められることも多いです。

⑶ 法令上利用制限がある土地

二項道路に面しているため建物をセットバックして建てなければならない土地や、都市計画法などにより建てられる建築物が限られている土地なども、評価を下げることができます。

これらも、土地を十分に活用することができないという観点から、価値が低いと考えられているためです。

⑷ 土地の面積が広い場合

三大都市圏の場合は土地面積が500平方メートル以上、三大都市圏以外の地域では1000平方メートル以上になっていると、通常の土地より評価減額される可能性があります。

これを「地積規模の大きな宅地の評価」特例といいます。

この特例を受けるためには、面積要件のほかにも要件が定められていますので、詳しくは以下の国税局作成のホームページをご参照ください。

参考リンク:国税庁・地積規模の大きな宅地の評価

3 相続税の更正の請求は税理士法人心にご相談を

これまで見たように、相続税の更正の請求をするためには、相続財産の評価をし直すというプロセスが必要になります。

相続財産、特に不動産の評価は複雑です。

不動産の相続税評価額の計算方法について詳しくは、こちらをご覧ください。

実際に現地調査をしなければならないケースも非常に多いため、専門家でない方が行うのは知識・技術面においても、時間の面においても難しいといえます。

また、税務署から相続税を払いすぎていると指摘されるということはないため、不動産を過大に評価して相続税申告をしてしまったことに気がつかないままでいるケースも少なくありません。

相続税を払いすぎてしまっているかもしれないとお心当たりのある方は、一度相続税に精通した税理士に相談してみることをおすすめします。

当法人には、相続税申告、相続財産評価の経験が豊富な税理士が在籍しています。

相続税でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

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