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空き地を駐車場にして相続税対策を行う方法

  • 文責:税理士 岩崎友哉
  • 最終更新日:2024年4月16日

1 土地の活用の仕方によっては相続税対策となる理由

遺産に土地が含まれている場合は、土地の相続税評価額をその他の遺産の総額に合算し、課税対象となる財産の総額を算定することとなります。

土地が更地の状態ですと、土地を使用することについて、何らの制限もないものと考えられるため、土地の相続税評価額がそのまま合算されることとなります。

土地が町中に存在する場合等には、土地の評価額が高額になることも多く、想定以上の評価額がつくこともあります。

この場合、土地の相続税評価額がそのまま合算されることになると、多額の相続税の納付を甘受せざるを得ないことも生じてきます。

以上の理由から、相続税対策を行うに当たっては、どのように土地の評価額を減額するかが大きなテーマとなってきます。

2 空き地を駐車場とすること

この点、空き地を駐車場とすることは、有効な相続税対策になると言われています。

これは、次のような理由によるものです。

⑴ 小規模宅地等の特例を利用できること

ア 該当する場合としない場合

空き地を駐車場として利用することは、土地を貸付事業に利用していることに該当し、小規模宅地等の特例の対象になることがあります。

ただし、小規模宅地等の特例の対象とするためには、土地上に建物やアスファルト舗装、精算機等の構築物を設け、事業として駐車場を貸していると言える状態になっている必要があります。

このため、駐車場の周りにロープを張っているだけ、砂利を敷いているだけというような場合は、事業として駐車場を貸しているとは言えず、小規模宅地等の特例を用いることはできないでしょう。

これに対し、アスファルトを敷いたり、車止めや精算機等を設置したり、ガレージ等の構築物を設けたりしている場合は、事業として駐車場を貸していると言うことができ、小規模宅地等の特例を利用できる可能性が高くなります。

なお、駐車場用地にコンクリートやアスファルト舗装が施されているのみならず、その舗装が土地の相当部分にわたってなされていることが必要になります。

駐車場の大きさに比して、舗装されている部分の面積が小さい場合には、撤去が容易であり構築物のある敷地とはいえず、小規模宅地の適用が認められない場合がありますので、注意が必要です。

また、構築物のある敷地であれば、駐車場の貸付形態は特に問われませんので、月極の駐車場でも貸付事業用宅地として認められます。

イ 減額割合

駐車場については、評価額の減額割合は50%になります。

また、小規模宅地等の特例を用いることができる面積の上限は200㎡になります。

駐車場が500㎡以上の場合、200㎡までは評価額を50%減額することができますが、300㎡の部分については減額の対象にはなりません。

⑵ 賃借権の目的となっている土地になること

ア 該当する場合としない場合

土地を駐車場にしているということは、土地を第三者に貸しているということになります。

このように土地を第三者に貸している場合には、土地の評価額を一定程度減額することができる可能性があります。

もっとも、この場合も、駐車場の周りにロープを張っているだけ、砂利を敷いているだけのような場合には、更地とほぼ同様のものと評価されるため、賃借権の目的となっていることによる減額の対象にはなりません。

賃借人がアスファルトを敷いたり、構築物を設けたりした場合には、賃借権に基づき土地が利用されていると評価されるため、評価減の対象になります。

これに対し、賃貸人がアスファルトを敷いたり、構築物を設けたりした場合は、賃借権に基づいてこれらのものが設けられたわけではないため、評価減の対象にはなりません。

イ 減額割合

評価額の減額割合は、相続時点での賃貸期間の残年数によって変わりますが、2.5~10%です。

権利金・一時金が支払われている場合や、厳固な構築物が存在する場合は、減額割合は5~20%に増えます。

3 土地の相続税対策についてのご相談

土地については、正しい知識をもとに相続対策を行わないと、実際には減額の対象にならず、費用がかかっただけとなってしまう恐れがあります。

相続税対策を行うのであれば、後で後悔することのないよう、十分な知識に基づく適切な対策を行う必要があります。

特に東京は地価が高額ですので、適切な土地の相続税対策を行う必要性が高いと思われます。

相続税対策についてお困りのことがありましたら、お気軽に当法人にご相談ください。

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