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保険を活用した相続税対策の注意点

  • 文責:所長 税理士 岩崎友哉
  • 最終更新日:2020年8月7日

1 生命保険による相続税対策

保険料負担者,被保険者を亡くなった人(被相続人),保険金の受取人を相続人とした生命保険により,相続税が軽減できます。

相続税の計算には,死亡保険金の非課税枠というものがあります。

相続人が保険金を受け取る場合には「500万円×法定相続人の人数」で求められる金額を,相続税計算の大元となる相続税の総額から引くことができます。

相続税の納税額は,相続税の総額に税率を掛ける等により算出されますので,生命保険を使うと相続税の総額を減らすことができ,相続税の節税ができるようになります。

また,相続人は死亡保険金が手に入ることから,相続税の納税資金を確保することができます。

しかし,相続の場面においては,生命保険による死亡保険金が争いのもととなる可能性もあるので注意が必要です。

2 生命保険金は原則として相続財産ではないが,例外がある

⑴ 生命保険金と相続の関係

生命保険金は,受け取った相続人の固有の権利であり,被相続人の権利ではないため,原則として相続財産とはなりません。

そのため,被相続人の預貯金等とは違い,遺産分割協議の対象とはなりません。

しかし,例外的に「特別受益」に類するものとして相続財産に含め,遺産分割の際に考慮しなければならない場合があります。

このような場合,相続人間で激しい争いになり,裁判にまで発展することがありますので注意が必要です。

⑵ 特別受益について

特別受益とは,被相続人が生前に相続人に対して財産を贈与するなど,相続財産の前渡しをしたといえる場合の,その前渡ししたとされる財産の評価額のことをいいます。

そして,この特別受益は,本来相続財産に含まれていたものと仮定し,被相続人が亡くなった時点での相続財産に戻して,各相続人の相続分を計算します。

その後,特別受益を受けた相続人の相続分から,特別受益分を差し引きます。

例えば,子どもが2人いる被相続人の死亡時点での預貯金が3000万円でしたが,生前に相続人である子どものうちの1人に生活資金として1000万円を贈与していたような場合が考えられます。

この場合,贈与された1000万円を相続財産に戻し,預貯金を4000万円と仮定します。

法定相続分で分割する場合,1人あたり2000万円となります。

そして,生前に1000万円の贈与を受けた相続人については,2000万円から1000万円を引くことで,相続分は1000万円となります(もう一人の相続人の相続分は2000万円なので,合計3000万円となり帳尻が合います)。

⑶ 生命保険金が特別受益として認められる場合

生命保険は原則として相続財産ではないのですが,特別の事情が認められる場合には特別受益に類するものとして遺産分割の対象として扱うことを判例が認めています。

特別の事情とは,最高裁によれば,保険金の額,この額の遺産の総額に対する比率のほか,同居の有無,被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係,各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して,保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が特別受益を定めた民法903条の趣旨に照らし,到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき事情をいいます。

非常に難解で抽象的な表現ですが,判断の大きな要素は,①遺産の総額に対する保険金の金額の比率,②被相続人の介護等の後見の度合い,の2つです。

例えば過去の裁判例では,遺産総額が1億円であるのに対し,被相続人と同居していない相続人が受け取った保険金が1億円であったケースでは特別受益として認められたことがありました。

3 保険を活用した相続税対策についてお悩みの方は税理士法人心 東京税理士事務所へご相談を

保険を活用した相続税対策はとても複雑であるうえ,相続の際に争いの種になるなど,注意しなければならない点があります。

税理士法人心 東京税理士事務所には,相続税対策に精通した税理士が在籍しています。

さらに,併設している弁護士法人心 東京駅法律事務所には,相続事件の経験が豊富な弁護士が在籍し,連携を図っています。

生命保険を使った相続税対策の方法を知りたい,いま加入している生命保険は相続の際に問題になることはないのかなど,相続と生命保険に関するお悩みをお持ちの方の相談に乗り,サポートさせていただきます。

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