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相続税の連帯納付義務とは何ですか?

  • 文責:所長 税理士 石井浩一
  • 最終更新日:2024年8月1日

1 相続税の連帯納付義務について

連帯納付義務とは、相続人及び受遺者の間で連帯して、相続税を納付する義務のことをいいます。

つまり、自分に課税される分の相続税を期日までに納付していたとしても、相続人の中に相続税を支払っていない人がいる場合、他の相続人や受遺者がその人の分の相続税を支払わなければならないということになります。

相続税を支払わない場合として想定される場面をご説明いたします。

⑴ 相続後、行方をくらまし音信不通になるケース

遺言執行または遺産分割協議が終わり、遺産を受け取った後に、相続人または受遺者が行方不明になってしまい、連絡も取れなくなってしまうという場合があります。

あまり多くはありませんが、不慮の事情による場合もあれば、意図的な場合もあります。

⑵ 遺産分割協議が終わらず、納付資金が用意できないケース

このケースは時折発生します。

遺産分割協議が申告期限までに終わらない場合、未分割申告といって、法定相続分で遺産分割をしたと仮定して一旦相続税を計算して納めます(参考リンク:国税庁・相続財産が分割されていないときの申告)。

未分割申告の場合、相続税を軽減できる特例等が使えないため相続税額が高くなる傾向にあり、納税資金が用意できない相続人が現れることがあります。

遺産分割協議が終わらないと、凍結された被相続人の預貯金を引き出すことは困難ですし、不動産を売却して現金に換えることもできません。

法律上は相続により法定相続分を得ていたとしても、実際には使うことはできないので、このようなことが起きます。

そうすると、相続開始前から現金や預貯金を多く持っている相続人がいると、連帯納付義務のもと、そこから相続税を支払わせればよいということになり税務署から取り立てがくることがあります。

2 連帯納付義務による相続税の支払いを避けるには

連帯納付義務によって相続税を支払わなければならない状態を避けるための有効な解決法はないのが現状です。

相続税をしっかり納めるよう促すこと、相続税の支払いに間に合うよう遺産分割協議を終わらせ、かつ納税資金を用意できるような遺産分割をするしかありません。

もし支払いに応じざるを得なくなってしまった場合は、早急に相続税を支払っていない相続人、受遺者に対し立替えた分の支払いを請求するしかありません。

これは、場合によっては裁判なども必要になりますので、専門家へ相談することをおすすめいたします。

3 相続税の連帯納付義務についてお悩みの方は税理士法人心へご相談を

以上の通り、相続税の連帯納付義務によって特定の相続人に負担が偏ることを避けるためには、早急に遺産分割協議を成立させ、納税資金を準備することが必要になります。

もし連帯納付義務を課せられて相続税を支払った場合には、相続税を支払っていない相続人に対し、法的な請求を行う等の対応が考えられます。

いずれの場合であっても、お一人で相続税をめぐるトラブルに対応されるのは大変かと思われますので、まずは一度当法人までご連絡ください。

当法人には、相続税に関する問題を得意とする税理士が所属しています。

また、法の専門家である弁護士とも連携し、幅広いサポートをご提供できるように取り組んでいます。

「相続税の申告期限までに遺産分割協議を成立させたい」、「どうしても申告期限までに遺産分割が終わらない場合どうしたらよいのか」、「すでに連帯納付義務のもと相続税を立替払いしてしまったがどうすればよいのか」など、相続税の支払いについてお悩みの方からのご連絡をお待ちしています。

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